免疫とは何ですか?… 
免疫力を高めるとは、どういう意味ですか?
免疫の80%を腸管に依存しているとは、どういう意味でしょうか?

 ⇒この質問に対して、具体的に答えられるでしょうか? (はい・いいえ)

   自分では理解できているつもりでも、答えを具体的に書き上げてみると、
   本当に理解できているかどうかが分かります。

健康食品を販売する人のほとんどが、この質問に対してはっきりと答えられる人がいません。
辞書や本に書いてある事を、自分の知識として頭の中にコピーしている人ばかりです。
何だか訳のわからない漠然とした説明ばかりを繰り返しますが、
ただ単に他人の知識を自分の頭の中にコピーしているコピー人間にしか思えません。

  免疫という意味も知らない人間が、免疫力を高めると説明しながら健康食品を販売しているのが現状です。
  他に、<酵素とは?><発酵食品とは?><ミネラルとは?>等々、答えられません。


免疫とは、疫病を免れると書かれるように、
病気にならないようにする為に備わっている防御機能の事です。
免疫機能は、数え切れないほどありますので一つ一つの機能を説明する事は不可能です。


【免疫機能・その@】

  免疫機能には、大きく分けて2つあります。
  ≪体内の免疫機能≫と≪体外の免疫機能≫です。

一般的に、
現代医学の【治療概念】では、既に起きている病気への対処でありますので≪体内の免疫機能≫だけを見ますが、
予防医学の【予防概念】では、病気が起きる未病段階での対処が中心であり≪体外の免疫機能≫を重視します。

病気を防ぐ為には、病気の原因となる病原体を体内に入れない事ですので、
≪体外の免疫機能≫の役割です。
病原体が体内へ入ってしまった後は、
≪体内の免疫機能≫が働きますので白血球などの役割になりますが、
病原体が体内へ入ってこない場合は、白血球の役割はありません。

  病気になってから治そうとする事よりも、病気にならないように予防する事の方が重要です。
  その事が理解できならば、
  ≪体内の免疫機能≫よりも≪体外の免疫機能≫の方が重要であるという事が理解できるでしょう。


病原体を体内へ入れないように、
まず最初に働く≪体外の免疫機能≫は、何か?
それは、視覚・嗅覚・味覚などの五感です。
どの辞書を調べても、どの本を調べても、
五感が免疫機能であると書いてある本はありませんが、
五感が免疫機能であるという事は間違いありません。

  病原体を体内に入れないように、まず目で見て腐敗しているかどうかを確かめます。
  目で見て判断できない場合は、次に鼻で臭いを嗅いで腐敗しているかどうかを確かめます。
  鼻で嗅いで判断できない場合は、次に少し舌で舐めて腐敗しているかどうかを確かめます。

五感で、大丈夫だと判断できれば食べます。
しかし、五感で正しく判断できずに病原体を食べてしまった場合は、
胃が拒否しますので口から吐き出します。

  胃を通過してしまった場合は、
  腸が下痢症状を引き起こして肛門から一刻も早く排泄するのです。

  胃とか腸は、口から肛門までパイプが通っているようなものであり体外です。(内なる体外)


【免疫の80%を腸管に依存している】と言われていますが、何故なのでしょうか?
80%と言えば、免疫機能全体の8割の事です。

それほど腸管は、重要な場所なのでしょうか?
それは、腸管は体外から体内への入り口に当たる場所だからです。

  腸管は栄養を吸収する場所であり、栄養を体内へ入れる為の≪唯一の入り口≫です。

  栄養を体内に吸収する時に、病原体を吸収してしまう可能性が最も高い場所なのです。
  だから、腸管免疫こそが免疫の砦と呼ばれ、
  病原体を体内へ入れないようにする為の最後の砦となる、
  免疫機能の中で最も重要な場所なのです。

腸管以外の場所からは、栄養を吸収しません。
(皮膚は、栄養の吸収場所ではなく、排泄場所です。)


【免疫機能・そのA】

人体を保護する為に、体の表面は全て膜で覆われています。

  目に見える皮膚面は、
  皮脂腺から分泌される皮脂(油)と汗腺から分泌される汗(水分)が乳化されて作られる皮脂膜で覆われています。
  この皮脂膜と呼ばれる脂分を含んだ防御膜で覆い、病原体が皮膚の中に侵入するのを阻止しているのです。
  脂分を含んでいますので、皮膚表面が乾燥しません。

  間違った化粧法を実行していると皮脂膜が破壊され、乾燥した肌となりトラブルが起こってきます。
  食べられるほど安全な原料で作られた自然化粧品で多くのトラブルが起こっているのは、
  化粧品作りの考え方が根本的に間違っているからです。


口の中は口腔粘膜、鼻の中は鼻腔粘膜、胃の中は胃粘膜、腸の中は腸管粘膜で覆われています。
粘膜とは、粘液を含んだ皮膚膜の事であり、常に粘りのある粘液を分泌しています。

  この粘液で、口から呼吸と共に侵入してきた目に見えない病原体を捕獲して排除するのです。
  (粘着性のあるゴキブリホイホイやハエ取り紙と同じような役割をしているという事です。)

口腔粘膜から分泌される唾液(粘液)は、生まれたばかりの赤ん坊の場合は、溢れ出ています。
そころが加齢と共に唾液(粘液)は、徐々に出なくなる為に、お餅が喉の奥に詰まってしまうようになるのです。


最後の砦と呼ばれている腸管ですが、腸管粘膜からは腸粘液が分泌されています。

  腸の蠕動運動が活発であれば、腸粘液が十分に分泌されます。

  よく噛む事で、唾液(粘液)が十分に分泌されるように、
  腸の蠕動運動が活発であれば、
  ウンコは、腸粘液の上をスムーズに移動しますし、
  ウンコは、腸粘液に包まれた状態で排泄されますので、
  一瞬のうちに、スル〜っと排泄されて、便器や紙が汚れません
 (犬や猫を見れば、ウンコを紙で拭きませんが肛門はキレイです。)


善玉菌が優勢な腸内環境であれば、腸の蠕動運動が活発となり腸粘液は十分に分泌されます。
悪玉菌が優勢な腸内環境になると、腸の蠕動運動が不活発となり腸粘液の分泌が悪くなります。

  腸粘液の分泌が少ないと、
  ウンコは腸管内をスムーズに移動する事ができなくなり便通異常が起こります。

  加齢と共に、唾液が分泌が悪くなってくるように、腸粘液の分泌が悪くなります。
  さらに、乳が垂れ下がるように腸が垂れ下がってきますので、高齢者の便通異常が起こるのです。


大便とは、<腸内環境の状態>と<腸管免疫の状態>を教えてくれる切な便りです。
毎日の大便を見れば、自分の免疫力の状態を正しく知る事ができるのです。

  腸粘膜から分泌される十分な腸粘液は、高い免疫力を証明するものです。
  十分な腸粘液に包まれて排泄されるウンコは、
  悪臭(腐敗臭)がなくて、便器や紙が汚れないスムーズな排便感です。
  
  ただ単に、ウンコが毎日出ていれば良いというものではありません。
  便器や紙が汚れるような排便は、
  腸粘液の分泌が少ない証拠であり、免疫力が低い証拠です。


宿便は、腸粘液が十分に分泌する腸管内には溜まる事がありません。
腸粘液の分泌が少ないから、ウンコが腸管内をスムーズに移動できなくなり、
宿便として腸管内に溜まるようになってしまうのです。


【アレルギーについて】

腸粘液が十分に分泌されている場合は、腸粘膜は保護されていますが、
腸粘液が十分に分泌されていない場合には、腸粘膜が保護されなくなってしまいます。

食べ物がアレルゲンになるメカニズムを説明すると、
口から食べた食べ物は、胃や腸できちんと消化吸収されて、未分解物や不要になった物は排泄されます。
これを代謝と言いますが、この代謝が上手くいかない人がいるのです。

食べ物が吸収される為には、
蛋白質はアミノ酸、糖質はブドウ糖、脂質は脂肪酸にまで細かく分解されて、微絨毛と呼ばれる所から吸収され、
食べ物の分子量が大きい未消化物の場合は、腸粘膜で吸収されずにウンコとして排泄します。

ところがアレルギー患者の場合には、
本来ウンコとして排泄される筈の未消化物が、
カンジダ菌が腸粘膜を破壊した為にできたタダレ等の傷口から吸収されてしまうのです。

そして吸収された未消化物は、
体にとって異物(抗原)とみなされ、免疫グロブリンEという抗体が作られ、異物を攻撃するようになるのです。
これがアレルギー反応です。

アレルギー反応が、
皮膚で起こった場合はアトピー性皮膚炎、鼻粘膜で起こればアレルギー性鼻炎(花粉症)、
気管支粘膜で起これば気管支喘息になります。
つまり、アレルギー反応の起こる場所によって病名が変わっているだけで、
症状の起こるメカニズムそのものは同じなのです。


善玉菌が圧倒的に優勢な腸内環境になる事で、
腸粘液が十分に分泌されるようになれば、あらゆるアレルギー症状が起こらなくなっても不思議な事ではありません。



惚れ惚れウンコは、
善玉菌が圧倒的に優勢な腸管内であるという事を証明してくれる一つの表現なのです。